新たに判明した事実・情報を追加するつもりでこの記事を書きます。
日本では、中央政府が絶大な権限で指導内容をコントロールしているのでどこの学校でも同じシステムで均一な教育を受けることができます。
これは地域に合わせたきめ細かな指導は困難になるということでもあります。
一方ナミビアでは、ある程度の権限、例えばシラバス(指導要綱)によって評価方法、教える内容などを決定する、はありますが学校運営に関してはその地方教育組織(Regional Office)がいくつかの指針を決定し、地域の校長会で指針を選択、学校に持ち帰って施行、というシステムのようです。
校長も日本と比べればけっこう大きな権限を持っていて、生徒の退学勧告のための会議の招集、全年間予算の承認・実行などもできます。当の校長は、「私なんて権限無いわよ。スクールボード(日本のPTAの超強力版、学校の諮問・監査機関のようなもの)の方が権限あるわよ」なんていってますけれど。
ちょっとわき道にそれます。
教室でヤンチャなことをして授業に参加しない生徒も校長室に連れてくとそれはそれは大人しくなります。”借りてきた猫”ってこういう感じだ!なんて日本の比喩表現の再確認もできたりします。
「校長室に一緒に行こうか?校長先生はなんて言うかな?」が生徒を大人しくさせる魔法の呪文。
各学期とも、シラバスに基づいて生徒の成績をAからUまでつけます。
グレード
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理解度(取得数値)
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コメント
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A | 80%以上 | 全科目通して、学校に一人いれば奇跡。 |
B | 70%から79% | 学年で1人いると教師も鼻高々。 学校の成績優秀者として表彰されるレベル。 |
C | 60%から69% | ”できる子”のライン |
D | 50%から59% | ”おーよくがんばったねー。”のライン |
E | 40%から49% | 数学・物理の合格ライン:ギリギリセーフ |
F | 30%から39% | 数学・物理以外の合格ライン:ギリギリセーフ・数学・物理はこのライン上をさまよっている生徒が大半 |
G | 20%から29% | 不合格 |
U | 0%から19% | 不合格:このラインにいるのは「テストを受けていない」生徒。40人のクラスで2~3名。 |
殆どの教科が学期中に小テスト(Topic Test)2回、小課題(Topic Task)2回、科目研究(Project)1回又は調査(Investigation)1回などの結果を平常点とし、期末テストの結果とあわせて数値化して絶対評価を行います。
評価に使用するテスト結果の比率が大きいので殆どの場合、テストの結果如何によって成績が左右されるというのは議論の余地があるものの公平なシステムとなってります。年度の成績は、1学期・2学期の成績+3学期単体の成績をシラバスにのっとった数式に代入して数値化、合否判定となります。
日本も義務教育の時点からこのような留年制度を日本独自にカスタマイズして採り入れればある一定の学力(最低学力)のを保つことができるのではないでしょうか。
飛び級制度も同時採用する必要もあります。
日本の義務教育の場合、生徒の能力はナミビアに比べれば高いのでまさか年間を通して学んだ事柄の理解度が30%未満ってことはないでしょう。(希望的推測)
日本独自の問題点として落第した生徒のケアがあげられます。みんな一緒でなくともよい、ということを社会全体が理解する必要があります。
大学入試における浪人程度の認識でいいんじゃないのかな。
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