2011-11-17

学校のシステム

_IGP2564ナミビアの学校のシステムを少しばかり。公式な資料で裏付けはとっておりませんのでだいたいこんな感じ、と理解していただきたく。

ナミビアは小学校から「留年」があります。
Grade1(小1)~Grade3(小3)までで最高2年、Grade4(小4)からGrade7(小7:日本では中1相当)までで最高2年、つまり最高11年間小学校に通い続けることになります。
7歳から通い始めて11年ということは・・・

18歳で小学校卒業もありうるわけです。

留年制限の上限を超えると自動で進級となりますが、それを待たずにドロップアウトしてしまう生徒も少なからずいます。彼らはそのまま町やロケーションでぶらぶらすることになります。心を入れ替えなければ、一生無職確定です。就業の機会が少ないからです。

「あの生徒は、サッカー大好きで毎日サッカーをやっていた。勉強もせず・・・ある日、とうとう彼は学校に来なくなったんだ」とゴミ箱を漁って空き瓶や食べ物の残りを集めている青年を見ながら私に語った老教師の言葉が沁みます。

Junior Secondary(中学校)に来る生徒は、ドロップアウトしていないという点で優秀なのです。
中学校(G8:中2からG10:高1)でも留年があり、G8で1年、G9で1年です。G10は1年で強制的に卒業となります。G10時に行われるNational Examとよばれる国家試験に合格しないと卒業資格は得られません。合格すれば、G11(高2)とG12(高3)と進めます。さらに上、が大学(写真は、唯一の総合国立大学であるナミビア大学です)です。
G10終了後、職業訓練校に進学という選択肢もあるようです。どちらも狭き門のようです。

赴任先の学校は、小さな町にあるせいかあまり「学校のレベル」は高くありません。来る者拒まず、という方針もあるかもしれませんが。というのも、成績優秀な生徒は大都市にある学校を志願して入学を許可されることが多いからです。中学校の進学時に小学校時の成績が評価され、入学させるかどうかを中学校側が決定するのです。
人気のある学校(都会にある学校)に優秀な生徒が集まります。
人気がない(田舎の学校)と、優秀な生徒は集まりにくいわけです。
そんな背景もあり、日々是戦場という覚悟で私自身も教壇に立っております。
ヤンチャな生徒が多いです。大都市の学校で問題を起こして、放校(退学)処分となった生徒も受け入れていますから。

教室・学校から逃亡
授業中の教室徘徊
突然手を挙げたかと思うと授業と全く関係ない事項の質問をする
授業中はずっとおしゃべりをする
人のカバンを漁ってめぼしいものを物色する
なんてのは日常茶飯事です。
学校から貸与された教科書を売りとばして換金して遊んでいることも。
それでも足りずに他の生徒の教科書を盗み(彼らは「取る」と表現していますが)売りとばす。
だいたい生徒の80%が何らかの問題行動(宿題を全くしないというのも含めて)を起こしています。

ほんの20%程の生徒は授業に積極的に参加します。これらの生徒が留年せずに進級しているのです。そもそも、40%以上の授業理解度で進級できるのですから。よくできたシステムだと思います。これは日本も取り入れるべきだと個人的には思っています。学力低下を嘆く必要もなくなるんじゃないかな。

ただ、生徒に同情せざるを得ない状況もあります。ナミビアの公用語は英語なので公の場では英語です。ニュースも英語です。ただ、日常の会話ではアフリカーンス・部族語が話されています。小学校1年生になったらいきなり英語で授業が行われます。
日本で同じ状況になった場合を想像してみてください。7歳になったら英語で授業を受けます。これでは数も数えられません。それまで「いち に さん し」と数えて褒められていたのが小学校になったとたん、「ダメ」。
「いち たす いち は に」ではなく「one plus one is equal to two」となるのです。生徒は混乱しますよね。そして、「勉強嫌い」となるのです。英語科目の成績が良い生徒は他の教科も良い、という傾向もあるようです。確率統計的な裏付けはまだとっていませんが。

日本の社会が基本、単一言語で構成されているのはもしかしたら強みなのかもしれません。
とはいっても6年も英語を勉強して全く話せないような教育内容もどうかと思いますがね。
(そもそも日本の英語教育は、文献読解が主眼となっているという説もあるからなぁ)

また文字だけのつまらない記事になってしまいました。
写真を織り交ぜた同期隊員のブログがまぶしいです・・・。無理やり写真でも・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

私のちいさな親友。部屋に勝手に入ってきては「SUZUKI~~」とちょっかいだしてきます。
日本手ぬぐいを頭に巻き、サングラスをかけ、さらに私のシューズを履いてゴキゲンです。
防犯用具の一つであるJICAより貸与いただいている拡声器も彼の手にかかればオモチャです。この後、オモチャ拡声器を取り上げたら大泣きされてしまいました。
泣く子と地頭には勝てぬ、です。

IMGP9522 IMGP9523

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